「EAセーフトレード研究室」で運用中のEAが採用している主要フィルターを、仕組み・ねらい・推奨初期値の3点でシンプルに解説します。
シグナル(DawSignal:ZigZag×ダウ理論)が良くても、入ってはいけない時間・状態に入ると収益は崩れます。そこで「時間帯」「ストキャス」「ニュース」「ボラ(実体長)」に加え、日次ガード/クールダウン/他通貨同時保有も合わせて全体最適化しています。
目次
全体フロー(要約)
- 時間帯(JST指定)で入れる時間だけに限定
- ニュース(指標)前後は停止
- 前回クローズからのクールダウンが明けているか確認
- 直近のローソク実体長(ボラ)が静かなときだけ通す
- ストキャスで方向不一致/過熱を除外
- 日次損益ガード(-3%/+1%)に該当したら当日停止
- 相関対策:同方向の同時保有上限を超えるなら見送り
1. 時間帯フィルター(JST基準で明快に)
JST 10:00〜翌03:00の間だけ新規を許可。ロンドン〜NYの流動性がある帯に絞る狙いです。
サーバ時刻とJSTのズレは、サーバ−UTCの実測差から自動換算(夏時間の切替にも自然追随)。
- 推奨初期値:開始
10:00/ 終了03:00 - 注意:日またぎ(例:10:00→翌03:00)は「終了を翌日扱い」に。
2. ニュース(指標)フィルター
CSV(JST)で指標時刻を管理し、発表N分前〜M分後は新規停止。スプレッド拡大や滑りの被弾を避けます。
- CSV形式:1行1件、例:
2025.10.15 21:30 - 推奨初期値:N=15分前、M=30分後
- 実装ポイント:CSVはJST保存→EA側でJST↔サーバ時刻に自動変換
3. クールダウン(前回クローズからの待機)
直前の決済から最低X時間は新規を止めて“連打”を抑制。負け直後の連続被弾や、イベント直後のノイズ突入を回避します。
- 推奨初期値:
1時間 - 運用ヒント:時間足を落とすほどクールダウンはやや長めが安定しやすい傾向
4. ボラティリティ(直近実体長)フィルター
確定足N本の実体長がすべて閾値未満なら通す=急変動中は見送り。
例)IsBodyQuiet(3, 50) → 直近3本の実体が全て50pips未満ならOK。
- 推奨初期値:N=
3本、閾値=50 pips - 注意:pips換算は口座桁(3/5桁)に合わせて1pips=10×Pointで統一
5. ストキャス方向限定(過熱回避込み)
ロング:K > D かつ K < Upper、ショート:K < D かつ K > Lower。
トレンド(DawSignal)とモメンタムの方向不一致や、買われ過ぎ/売られ過ぎの逆行エントリーを除きます。判定は基本確定足で。
- 推奨初期値:TF=
H1、K/D/Slowing=5/3/3、Upper/Lower=80/20、確定足判定=ON - 運用ヒント:時間足を下げるほど“だまし”が増えるため、Upper/Lowerをやや広げる調整も有効
6. 日次損益ガード(当日 -3% / +1%)
日初のEquity(証拠金残高)スナップショットを基準に、当日の累積損益率(手数料/スワップ込み)を計算。
-3%到達で当日停止、+1%で利確保全(上限は将来+1.5%へ試験引上げ予定)。
- 狙い:地合いが悪い日の深追い防止、良い日の取りすぎでの反転ロス回避
- 注意:BalanceではなくEquityで評価し、入出金影響や小数切捨て誤差を回避
7. 相関対策(他通貨ポジ保有フィルター)
同EA(Magic一致)の他シンボル同方向ポジ数に上限。クロス円が一斉に動くと“同時被弾”しやすいため、同方向最大2つなどで制御します。
- 推奨初期値:同方向同時保有の上限=
2 - 注意:他EAや手動ポジまで止めないよう、Magicで限定するのが安全
主要パラメータ早見表(初期目安)
| カテゴリ | 項目 | 初期値 | メモ |
|---|---|---|---|
| 時間帯 | 開始/終了(JST) | 10:00 / 03:00 | サーバ時刻と実測差で変換 |
| ニュース | 前後待避 | 15分前 / 30分後 | CSVはJSTで1行1件 |
| クールダウン | 最小待機 | 1時間 | 短期TFほどやや長めが無難 |
| ボラ | N本/閾値 | 3本 / 50pips | 急騰落回避・ノイズ抑制 |
| ストキャス | TF/K-D-S/上下 | H1 / 5-3-3 / 80-20 | 確定足で判定(推奨) |
| 日次ガード | 下限/上限 | -3% / +1% | Equity基準・手数料/スワップ込み |
| 相関 | 同方向上限 | 2ポジ | 同一EA(Magic)に限定 |
落とし穴と対策
- 時間帯の解除バグ:「日次停止」を単一フラグで管理すると、時間帯切替で誤解除が発生。
→ 用途別フラグ(時間帯/日次/ニュース/クールダウン/ボラ/相関)に分離して論理和で停止。 - pips/Pointの取り違い:3/5桁口座は1pips=
10×Pointで統一。SL/TP/判定誤差(±0.5pips)も明示。 - ニュース時差ズレ:CSVをJSTで持ち、サーバ−UTC差の実測値で往復変換(DSTに自動追随)。


コメント