「なぜ資金が減るのか?」を3つに絞って、**症状 → なぜ危険 → 実務対策(EA設定例)**で一気に把握。小資金×安全重視でいきましょう。
目次
この記事でわかること
- 初心者が資金を溶かしやすい3大要因の“本質”
- 今日からできる定量ルール(式・数値・停止基準)
- EA運用に落とし込む具体的パラメータ例
1. 過剰ロット(Position Size Overkill)
症状
- 勝てば増えるが、数回の逆行で口座が崩れる
- 維持率がすぐに低下、精神的に耐えられずルール破りが発生
なぜ危険?
- リスクはレバそのものではなく、**「ロット×SL幅×pips価値」**で決まるため。
- ロットが大きいほど損失の加速度が増し、日次や週次での再起が難しくなる。
実務対策(式と例)
- 1回あたり許容損失=口座残高×(0.5〜1.0%)
- ロット= 許容損失(円) ÷(SL幅[pips] × 1pips価値[円])
例:残高10万円、許容1%=1,000円、SL=25pips、1pips=100円
ロット = 1,000 ÷ (25×100) = 0.4(lot)
※ブローカー仕様に合わせて小数ロット可否を確認。
EA設定例
RiskPerTrade = 1.0(%)SL = ATR(14) × 1.8(可変SLでノイズに強く)Lot = 許容損失 ÷ (SL×pips価値)を内部計算DailyMaxLoss = 3%到達で当日停止
※本記事に内に記載の変数及び設定値の詳細はカテゴリー「制作&コード」でロジックを含め解説します。
2. 逆張り常習(Catching a Falling Knife)
症状
- 「伸び切ったからそろそろ戻る」と逆方向に賭ける
- たまたま当たるが、トレンド継続日に大損する
なぜ危険?
- トレンドは継続する性質があり、順張りに対して逆張りは期待値が低下しやすい。
- 逆行中の“押し目・戻り”の判定を誤ると、損切りまでの距離が長くなりやすい。
実務対策(順張りの土台)
- 上位足の傾き+価格位置で「順張り方向だけエントリ」を許可
- 例:H1の200MAより上&MA上向き=ロングのみ
- 過熱フィルターで「飛び乗りすぎ」を抑える
- 例:RSI>80の買いは見送り、RSI<20の売りは見送り
EA設定例
- トレンド判定:
MA(H1, 200)の傾き>0 かつClose(H1) > MA→ ロングのみ - フィルター:
RSI(14) < 70のときだけロング可(過熱回避) - 仕掛け:CCI×ボリンジャーなどの微調整は順張り方向限定で発火
3. ナンピン依存(Averaging Down Addiction)
症状
- 逆行したら同ロットを追加して平均取得価格を近づける
- 一見“救われる”が、トレンド転換時に致命傷
なぜ危険?
- ナンピンは頻度は多い小勝ちと稀に巨大損の組み合わせ。
- 巨大損は維持率低下→ロスカットに直結。
- 想定外のイベント(急変・スプレッド拡大)で一気に崩壊しやすい。
実務対策(どうしても使うならの最低条件)
- 原則:ナンピンなしで安定曲線を作る(推奨)
- 使う場合は下記のように“破綻しにくい形”へ制限:
- 回数:最大2回まで
- 追加幅:可変(SL幅やATR連動)
- ロット:逓減または同量まで(倍々は禁止)
- 全ポジションの共通TP(RR>1を維持)
- 日次損失到達で一括クローズ&当日停止
EA設定例
MaxAdds = 2、AddStepPips = SL幅に連動AllTP = 初回エントリのSL×RR(例1.7)を全ポジで共有DailyMaxLoss = 3%到達で全決済+新規停止
「3大要因」を避けるための共通ガード
1) リスクを“先に”決めてから入る
- 1回=0.5〜1.0%、日次=-3%、日次利益=+3%で保全
- 連敗N回(例:5)で自動停止→翌日レビュー
2) 可変型の設計で“いつも同じくらい”のリスクに
SL = ATR×係数(1.5〜3.0)、TP = SL×RR(1.5〜2.0)BE(建値移動)= TP到達の50%+ スプレッド考慮
3) 順張りをデフォルト、逆張りは“例外”
- 上位足MAの傾きと価格位置で売買方向を一方向に制限
- 過熱フィルター(RSI/ストキャス)で飛び乗り抑制
4) ログと見える化
- 仕掛け/フィルター判定、発注価格、SL/TP、BE移動、日次停止をCSV出力
- 月次レビュー:勝率、平均RR、最大DD、日次停止発動回数で健全性を評価
すぐ使えるチェックリスト(コピペ推奨)
- 許容損失%(0.5〜1.0)を宣言し、ロットは逆算している
- **日次±3%**で停止(自動化)
- 上位足MAで順張り方向のみ許可
- 過熱フィルター(RSI/ストキャス)でエントリ間引き
- SL=ATR×係数, TP=SL×RR, BE=TP50%
- ナンピンなしが基本。使う場合:最大2回/逓減ロット/共通TP/日次停止
- 取引ログをCSV出力し、週次・月次で見直し
まとめ
- 過剰ロットは“計算で防ぐ”。許容損失→ロット逆算が核。
- 逆張りは“例外”。上位足順張り+過熱回避でベースを固める。
- ナンピンは“最後の選択”。やるなら回数・幅・ロット・停止を厳格化。
本ブログでは、上記ルールをEAパラメータとして実装し、成績を公開していきます。小資金×安全重視で、右肩上がりを一緒に作りましょう。
次に読む(内部リンク案)
- 小資金でも守れる:EA運用の資金管理テンプレ
- MT4/MT5対応の“再現しやすい”EA雛形
- 上位足MA×RSIの順張りフィルター設計
免責
本記事は情報提供のみを目的とし、特定の投資行為を推奨するものではありません。FX取引は元本・利益を保証しません。最終判断は自己責任でお願いします。


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